俺の部屋にはねずみがいる。
ハムスターではない。
マウスだ。
タンスの中に糞をばら撒き、生ごみの袋を食い破り、あまつさえ、俺の生命線そのものでもある袋ラーメンを食い荒す、見つけたらその首叩き斬って大路の晒し者にしてくれるわ!とかつい考えてしまう(というか捕まえたら絶対コロス!)憎き敵。
しかし奴は手ごわい。
動作は俊敏で、きわめて用心深く、そして非常に賢い。それはもう、猫以上ではないかと思えるくらい。
一度罠にかけたことがあったのだが、予想以上に暴れたため罠を抜けられてしまった。
最近、奴は自分の部屋に住み着いているのではなく、他の場所から出入りしていることがわかった。
基本的に、ひとつの窓は開けっ放し(3階にあるため、人が入るのは不可能)なので、ほとんど自由に出入りできる状態だったと言える。
このままでは、他のねずみまで部屋に出入りするようになるかもしれない。
可能性として結構高めな上、これ以上奴に部屋を荒らされるのは辛抱たまらんものがある。
そして今日、新しく罠を設置した。(罠といっても単なるごみ袋を使った単純なものだが)
奴の出入りするルートは決まっていて、それはすでにわかっている(窓)。そこをごみ袋(3重)で下半分くらいを塞ぐ。
完全に塞ぐと換気ができないのであくまで半分。
部屋の外(窓の外側)は少し足場になるような部分があり、おそらく飛び越えるなりして進入は可能だろう。
しかし、内側から出るには特に足場もなく、出るのは困難なはず。
そして、バイトから帰ってくると、予想通り部屋に侵入した奴が、慌てて窓から出ようとしてがたがたやっていた。
その様子から奴が部屋から出るのは不可能だと思ったのだが、奴は予想以上に頭が良かった。
一度窓の枠(みたいなの)によじ登ったあと、そこから飛び降りるようにして、ビニール袋を越えようとしたのだ。
しかし角度が微妙で失敗。
しばらくして、今度はカーテンレールの上から飛び降りるようにして超えようとして、またも微妙に失敗。
ここでふと気づいた。
奴は、ビニールを飛び越えようとしている。
窓の外にはちょっとした手すりがる程度であとは何も無い。
奴はビニールを飛び越えることしか考えてないのかどうか。
試しに、ビニールの前に奴がちょうど飛び超えられる位に箱を積み上げる。
何も考えずにその箱からジャンプして、見事ビニールを飛び越えたら、後はそのまま地上3階から地面までまっ逆様、というわけだ。
仕掛けのセットは完了。とりあえず様子をみることにする。